熟して英語

歳を重ねて見えてくる英語。。。日々ちょっと考えさせられる英語の色々を綴っていきます

英語の中の日本語にハッとする

最近大統領選のニュースの中の「英語になった日本語」について。。。


日本語では数えきれないほどの英語の単語を普通に使っているというのに、
普段使われている英語の中で日本語を読んだり聞いたりすると、
何故か暫しハッと目に留まるし、耳を澄ましてしまう。



New York Timesでは最近
         "....tsunami of disinformation"
という塊のフレーズが良く登場する。
もう当の昔からtsunamiは英語にはなっていたからめずらしくはないのだけど、


人々を混乱に陥れるトランプ陣営からの情報 つまり disinformation がこれでもか、これでもかというほど次々出てくるものだから、「津波のように」と形容したくなるのでしょうね。



それからCNNでは、何人かのコメンテーターが頻繁に
      ”political ju-jitsu”
と発言する。


日本語だとはわかったけれど、「ジユウ-ジーツウウ」と発音するものだから初め一体何のことだろう、と。


これは「柔術」のことなんですね。


柔術は、攻撃者の力を使って攻撃者を攻撃する武術。
政治的柔術とは、敵の抑圧を利用して、敵の力の源を弱体化させるための非暴力的な運動。それで結果を生み出す政治的手段。Blacks Lives Matterの運動とかですね。


ただトランプさんに関しては。。。


アメリカが崇拝する人望のある人々を臆することなく攻撃をして叩きのめして、ベースを味方につけて盛り上げる。


今だとコロナ対策に力を入れているファウチさんが標的です。


過去の2018年4月17日付けのNew York TimesのOpinionは


      ”Trump’s Black Belt in Political Jujitsu”


と題して、トランプさんはこの政治的柔術ではなんと黒帯保持者だと。



さてさて、今日の大統領選の結果はどうなりますことやら。
本当に平和的に終わるのか、、、


それにしても二人とも70代の高齢者なのに、
お元気、お元気。



ディベートと" I Love Lucy" のお話

前回は "chaos"の単語が飛び交ったディベートでしたが、、、


今回終了後、ディベートを報じた英語は。。。


 "coherent "(理路整然として),
 "civil"(礼儀正しい)
 "sedate" (落ち着いた)
 "restrained "(節度のある)
 "calmer"(静か)


そして "normal"  だったというCNNのコメンテーター。
トランプさんは "behaved like a normal person" (普通の人のように振舞った)と。


う~ん、これは大統領選のディベートですよね?
コメンテーターも言っていたけれど、
どれだけ"bar was set low" (ハードルが低く設定されて)いるのか!



ディベートが終わるとNY Times も CNN も fact check が始まります。
それぞれ発言した内容が false(誤り)だとか、exaggerated (誇張)だとか。


それでCNNの fact checker の男性が今回言ったこと。
 ”Trump lied like Pinnochio" (ピノキオのように嘘をついていた)


そして、


"I Love Lucy" の"The Chocolate Factory"のようにどれから拾ってよいのかわからないくらい数多かった、と言ったのがひどくおかしかった。



60年代、人気のあった"I Love Lucy"のコメディー番組を良く観ていた。
その中でもこの”The Chocolate Factory"は誰もが忘れられない大ヒットのエピソードなのだ。抱腹絶倒もの。


トランプさんの嘘、、、このチョコレートのように出てくるわ、出てくるわ、という感じなのでしょう。


若い男性の fact checker だったけど、今でもまだ視聴されている名エピソードなのかも。



I Love Lucy - The Chocolate Factory

This is a pen....This is an apple...の話

  

  This is a pen...

          This is an apple...


昔々の中学の英語の教科書ですが、こんなので始まりました。
日本ではすっかり芸人のギャグで有名になりましたが、、、


何年も前、これ、問題になりました。
何故なら言語は実際使われるコミュニカティブなものを使って学ばなくてはならないという議論になったから。


英語を使う現場の中で一体どういう状況でこれを使うのか。
実際にネイティブがこの文を発した場面に出くわしたことがあるのか。
(まあ、少し離れていてよく見えないから「それは梨?それともリンゴ?」なんて
聞かれて"This is an apple!" なんて返事をすることはあるのかもしれないけれど?)



しかし、、、前回の投稿の続きになりますが、、、CNNのFacts firstの宣伝の冒頭部分。
あるんです。
まさに "This is an apple" で始まります。


初めてです、この文をネイティブが使うのを聞いたのは。
”This is a ~~~"と聞くだけでなんだかなつかしい響きにさえ聞こえてきます。


ALL CAPSが出てくる時点で誰のことかとても明白な広告ではありますが。。。


Facts first を上手く伝えてくれる、ちょっとくすっとさせる宣伝だと思います。



“This is an apple. Some people might try and tell you that it’s a banana. They might scream banana, banana, banana over and over and over again. They might put BANANA in all caps. You might even start to believe that this is a banana. But it’s not. This is an apple.”


「これはリンゴです。バナナだと言う人もいるかもしれません。彼らはバナナ、バナナ、バナナを何度も何度も叫ぶかもしれません。彼らはBANANAをすべて大文字にするかもしれません。これがバナナだと信じ始めるかもしれません。しかし、そうではありません。これはリンゴです。」FACTS FIRST

This is a mask...マスクとは


CNNの一連の "facts first” の宣伝動画はなかなかシンプルだけど良くできていると思う。


"This is an apple"から始まった一連のこのシリーズはコロナ渦になってマスクが登場。
最初のものは下の動画のもの。


“This is a mask. It stops the spread of coronavirus. This is not a political statement. It’s a mask. Please wear a mask”
「これはマスクです。コロナウイルスの拡散を防ぎます。これは政治的な声明ではありません。これはマスクです。マスクをしてください。」



二つ目の最近のはこれ⤵


“A mask can say a lot about the person who wears it, but even more about the person who doesn’t. Please wear a mask"
「マスクはそれを着けている人について多くのことを語っています。そしてそうでない人についてはさらに多くのことを語っています。マスクをしてください。」



でも⤴はアメリカの話。


日本では。。。


今日都会の雑踏を歩いていて、ほぼ99.9%マスクを着用。
していない人はほぼ皆無だ。


マスクをしているからリベラルだとか、なんだかんだと考える日本人なんていない。


みんなを守り、自分を守り、何も考えない人もみんな、ただただマスクをつけるだ。


みんながしてるからするのだ。することになっているからするのだ。


マスク、というよりは、


この日本人の右に倣えの精神と生真面目な気質。


これが日本でコロナ感染が少ないX factorの一つかも?