熟して英語

歳を重ねて見えてくる英語。。。日々ちょっと考えさせられる英語の色々を綴っていきます

ロシアンルーレットとコロナ、、、比喩表現の色々

相変わらず居座りを続けるトランプさん。


           ”I WON THE ELECTION!”


と ALLCAPS でツィートをしております。


これを報じたCNNのコメンテーターが、トランプさん、最近姿は見せないけれど、
”diarrhea of tweets” でその顕在ぶりに変わりないと表現してました。
   ⤴「下痢」です。。。。ビロウなお話でごめんなさい。


ツィートだけは途絶えることなく次々と配信しているということ。
えっ!と思う比喩表現ですが、ちょっと納得いきます。


多くの移民で出来上がっているアメリカ。
なるべくコミュニケーションを円滑、クリアにするためにわかりやすい比喩表現が多いです。しかも昔から言い継がれている表現よりは、現代バージョンもなかなか興味深い。


例えば今回のコロナ感染者の増加で、サンクスギビングでの家族の集まりは避けましょう、というニュースでこんなことを言っていました。
家族で集まることはまさに "Russian Roulette" ロシアンルーレットだと。


      "It's like bringing a loaded pistol to grandma's head."
        弾丸の入ったピストルを実家のおばあちゃんの頭に向けるようなものだ


わあ、これもまた物騒な表現ですが、なるほど、と。


それからこんなのもありました。
     ...trying to put the toothpaste back into the tube"


うっかり出しすぎた歯磨き粉をチューブに戻したいと思ったことってありませんか。
無理ですね。


これはまあ、「覆水盆に返らず」の昔よく習った "It is no use crying over spilt milk"
の現代バージョンとも言いましょうか、、、イメージしやすいです。


そして従来からある比喩表現で最近耳にしたもの。
        the icing on top of a cake  
        ケーキの上にさらにアイシング


これはいかにもアメリカらしい。
良いことがさらに重なる、という意味です。
合格して喜んでいたら、あとからトップで合格していたことを知った、みたいな。


アメリカのケーキって大きくて、甘い。
甘いのにさらにその上にicingアイシング (砂糖と水やバターで溶かして上に飾り付けするもの)がのっかるとそれはもっと甘くなって、さらにご褒美になります(←甘党にとっては)。



そしてこれ。
         We need to be on the same page


先生が開いている教科書のページじゃないところを開いている学生がいたらダメですよね。
全員が同じページを開いて見ている→つまり同じ情報を持ち合わせ、共有して、現状を把握している必要性がある、という意味です。


実に目に浮かぶ上手い比喩表現です。


.....on the same page....


まさに引き継ぎ期間であるはずのところの今、
バイデンさんがトランプ政権に最も求めているものなんですよね。


大丈夫、君ならできる、ドナルド君!

何かハードルが高いものに挑むとき、誰しもが慄くもの。
そうして怖気づいていいる人がいるとき、英語ではこう励ましのことばをかける。



            You can do it!
             または
            You can do this.!


         大丈夫、君ならできるよ。
         自分の力を信じて、頑張れ!


さて、New York Times に今日こんなタイトルの短いビデオがあがりました。


           You Can Do This, Donald.
            大丈夫、絶対できるよ、ドナルド君!



In life there are winners, and there are losers. You wanted to win so bad but it just wasn't meant to be. But if you do lose, it is important to do it gracefully. There's examples everywhere like these kids. ...or these people....Look, it's not easy to lose. ...
人生には勝者と敗者がいます。勝利を強く望んてもかなわないときもあります。でも負けたのなら、潔く負けることが大切です。こんな例はいたるところにあります。この子供たちや、この人々や。。。わかりますよ、負けを認めることは簡単じゃないんです。


。。。というナレーションとともにスポーツ試合に負けた選手の映像が次々と映される。
セリーナウイリアムズが決勝試合に負けたときの言葉なども。
子供がゲームの決勝で負けて悔し涙を流している、それでも気丈に振舞い勝者と握手をする映像。


それからヒラリー、ゴア、パパブッシュ、ニクソン、マッケインが
相手を称えながら敗北宣言をする映像。



       And now, it's your turn, Donald. You can do it. 
    さあ、今度はあなたの番ですよ、ドナルド君、大丈夫、君にだってできる!


"I'm not a good loser. I don't like to lose." 
「僕は潔くないんだ。負けるなんて嫌いだ」(←トランプさんの声)


We know. But...you lost. It's time to concede. It's time to be a good loser.
 よくわかります。でも...負けたんです。認める時が来たんです。潔い敗者になるときがきたんですよ。


と結んで終わります。



呼びかけが「トランプ大統領」ではなく、Donald「ドナルド君」になってますね。


子供にもできるのだから君も頑張ろうね、、、
という74歳、man-child (子供っぽい)の男性に向かっての叱咤激励の言葉でした。



ああ、でも取り敢えず終わってよかった!



大統領選集計作業はクロール (crawl)

この大統領選、勝者は大方見えています。


ただ遅々として進まない投票集計作業。。。


先ほどの New York Times の記事のヘッドラインは、


   Vote Count Slows to a Crawl Across Three Critical States
        三つの激戦州の投票集計は遅々としてハイハイ状態に


としている。


ここにある crawl という単語。
これは「這う」という意味です。
赤ちゃんのようにハイハイをすること。


水泳競技のあのクロールです。


その泳ぎ方とはまさに床面に手足をつけてはって行くような格好ですから、
そこから来ているのです。
泳法としてクロールは最も速いんですけどね、、、
単語自体の意味はノロノロなんです。



そして進まない選挙結果を待ち望んでイライラしている国民に向かって、
先ほどバイデンさんは次のようにスピーチをしました。


  “But never forget, the tallies aren’t just numbers. They represent votes and voters,
  men and women who exercise their fundamental right to be heard.”
 「決して忘れないでください、集計は単なる数字ではなく、投票者と有権者、基本的な権利を行使する
  男性と女性を表しているんです。」


一方、トランプさんはconcession speech 敗北宣言をする様子もなさそうです。


そしてたった今、彼のChief of Staff 参謀長官 がコロナにかかったという
ニュース。


前途多難でないとよいのだけれど。。。



ハラハラドキドキ Nail-biting (爪を噛む)選挙だ

4年前のことがあるから、若干半信半疑で聞いていた世論調査だったけど、
やっぱりそうなった。


アメリカはこれほど分断しているのか、と思わせる結果。


今朝からの New York Times の選挙速報には何度もフレーズを変えながらも
nail-bite という単語を使っていた。


             Election turns into a nail-biter that may extend for days
                (選挙は長期戦が予想されるハラハラドキドキものになった)


nail-bite は爪を噛むことだけど、最終結果がどうなるかわからないときのハラハラドキドキ、それに若干イライラという感情を表す言葉だ。


アメリカでは爪を噛む子供が必ず教室にはちらほらいるのですよね。
日本ではそれほど見ないのだけど。。。
爪を噛む子供を実際見ると気持ちが安定していないという風に映ります。


それで気持ちが落ち着かない、とか緊張する、とかいうときにはジェスチャーとして
爪を噛むしぐさをしたりしてみせる大人もいる。


勝利宣言もどきをしてしまったトランプ大統領がいるし、
数えられていない郵便投票は山のように残っているし、


両党で弁護団も待機しているようだし、、、


これから先がまさに nail-biting ですね。