熟して英語

歳を重ねて見えてくる英語。。。日々ちょっと考えさせられる英語の色々を綴っていきます

姓名のローマ字表記と ALL CAPS のお話

あまりわくわく感のない新内閣なので、9/15付 Japan Times からの別テーマの記事。
氏名のことなので全ての日本人に関わるだろう重要なお話。


数日前の河野大臣が以下の tweet をしたことに関しての記事です。


"The ECONOMIST magazine writes Japanese names correctly: 
Abe Shinzo Aso Taro Suga Yoshihide Kishida Fumio Ishiba Shigeru etc."
「雑誌エコノミストは正しく日本人の姓名表記をしていますー
    Abe Shinzo   Aso Taro   Suga Yoshihide   Kishida Fumio   Ishiba Shigeru etc."」



これは国語審議会が出した「国際化に伴う日本語の問題ー姓名のローマ字表記についての考え方」に基づいてtweetされたのですね。


つまり、国際審議会の提案は以下のとおり。


「国語審議会としては,人類の持つ言語や文化の多様性を人類全体が意識し,生かしていくべきであるという立場から,そのような際に,一定の書式に従って書かれる名簿や書類などは別として,一般的には各々の人名固有の形式が生きる形で紹介・記述されることが望ましいと考える。
 したがって,日本人の姓名については,ローマ字表記においても「姓-名」の順(例えばYamada Haruo)とすることが望ましい。なお,従来の慣習に基づく誤解を防くために,姓をすべて大文字とする(YAMADA Haruo),姓と名の間にコンマを打つ(Yamada,Haruo)などの方法で,「姓-名」の構造を示すことも考えられよう。
 今後,官公庁や報道機関等において,日本人の姓名をローマ字で表記する場合,並びに学校教育における英語等の指導においても,以上の趣旨が生かされることを希望する。」



これに関して、賛否両論はあるものの、国民の多くは支持しているとこのJapan Times の記事には書かれています。ただ一点、要注意部分があると指摘しているんです。これが面白い。


すなわち、このYAMADA Haruoという表記。
YAMADAと表記するのは英語では "ALL CAPS" (All Capitals の略)「全て大文字」スタイル。はるか19世紀くらいまで遡ってこれは “SHOUTING STYLE” と呼ばれて使用されてきているものです。アメリカ人であれば誰しも常識的にALLCAPSで読むと自ずと脳内の声が大声で「叫んでいる」ように聞こえてくるわけです。強調の意味はあっても、あまり上品ではない。大文字で全て表記するのは実際読みにくいし、全く奨励されていない書き方なのです。


ALL CAPSで有名なのは何と言ってもトランプさんの tweet です。
例えばオバマさんのことを “HE SPIED ON MY CAMPAIGN, AND GOT CAUGHT!”  みたいな感じ。読む人はああ、またトランプさん、吠えているわ、と思うわけです。



記事の最後をこう結んでいます。


"Either way, can we at least agree to DROP THE ALL CAPS? I know I don’t want to have a little voice in my head screaming “SUGA!” every time I look at the news."
「いずれにせよ、最低この氏名の全て大文字は辞めてもらえないだろうか。今後ニュースを読むたびに脳内の声が スガ!!!と叫ぶのを聞きたくないんですよね。」


日本人はね、SUGAと書いてあっても普通に叫び声は聞こえてきませんね。
日本語の表記でALL CAPSに相当するものは⤴のようにせいぜい漢字をカタカナするとか、太文字にするとか、ビックリマークをたくさんつけるくらいしかできません。それでも我々の脳内、あまり大きな叫び声は響いてきません。


文化が違うと様々なことが違います。



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