大坂なおみ選手とイントネーションのお話
大坂なおみ選手が2020年US Open で二度目の勝利を納めました。
一昨年の受賞スピーチでは
"This is probably gonna be, like, the worst acceptance speech of all time,"
「、、、というかあ、、、これって史上最悪の受賞スピーチになりそう。。。。」
と何となく自信なさげでした。
ところが今回の受賞インタビューでは、こんなやりとりがありました。
Interviewer: “You had seven matches, seven masks, seven names. What was the message you wanted to send?”
Naomi Osaka: "Well, what was the message you got .......is more the question. I feel like the point was to make people start talking.”
「七つのマスクに七個の名前がありました。何を伝えたかったのですか。」
「いえ、逆に皆さんこそそこからどんなメッセージを受け取ったのか、、、ということをむしろ伺いたいです。これをきっかけに皆さんが議論してくれること、それがポイントでした。」
質問を質問で返すほど余裕がありました。
そしてあまりにも堂々とした素晴らしい返答で皆を驚かせました。
なおみさんが答えたときに、you にアクセントを置いています。
質問者の"What was the message you wanted to send?"の you は当然なおみさんの you です。普通であれば、"I wanted to send ....."という返答が自然ですが、今回答えたなおみさん、youにアクセントを置いて聞き返す。抑揚を強めたことで意味としては「いえいえ私じゃなく、あなた方こそ(ここは質問者の男性を含む全ての人のyou) は逆にどんなメッセージをもらったと考えていますか?」という意味になるわけです。
英語は意味として文の中で最も大切な部分にアクセントを置き、その母音を伸ばします。
Nice to meet you. あなたにお会いできてうれしいです。
なあいす つぅ みいいいっと ゆー
Nice to meet you. 私こそ、あなたにお会いできてうれしいです。
なあいす つぅ みっと ゆううう
の場合と同じです。最初のアクセントは meet に。次は you に来ます。
最初に挨拶をした人はその人に「会えたこと」がうれしかったんです。返す人は「こちらこそあなたに」会えたことがうれしい、という流れになるわけです。
返すときにも最初と同じようにmeet にアクセントを置いてしまったら、「あなたにお会いできてうれしいです」「あなたにお会いできてうれしいです」ということで、二人が勝手にしゃべっている感じでコミュニーケーションが成立しませんね。
イントネーションってとても重要なんです。
画像はお借りしています。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。